空想ノート雑記

SS、ちょっとした設定、雑記など

UNREALについて-1

 どうも。現実での生活で起きたことはブログに書かないという縛りを入れたせいで常にネタが枯渇している未設定です。

 この前の月曜日でサイト開設一周年となりました。と言ってもKの水葬を掲載してから半年以上更新してない、という体たらくであります。い、色々あったんです。ぶっちゃけこの文章を書いている段階(11月2日)ではまだ終わってないです。

 

 さて、一周年という節目に、UNREAL一話を掲載することができました。元々電脳探偵というタイトルで掲載していた作品ですが、設定を整理・変更し、結構大幅に改稿しています。登場人物の名前が漢字表記になっていたり、性格付けが微妙に変わっていたりします。

 そのあたりの話は覚書でするとして、今回取り上げるのは「~・リアリティ」といういくつかの単語の意味と作中における用法についてとなります。

 

 作中では拡張現実(オーグメンテッドリアリティ)と仮想現実(シミュレーテッドリアリティ)という、二つの単語が使われています。設定上ではここにもう一つ、基底現実という単語を足しています。基底現実については多分作中で使われることはないかと思いますが、今回の説明では「今我々が認識し、共有しているこの現実」を定義する言葉として使います。

 とりあえず参考リンクとして、拡張現実、シミュレーテッドリアリティ、バーチャルリアリティについてのWikipediaへのリンクをば。

拡張現実

シミュレーテッドリアリティ

バーチャルリアリティ

 注1。本来であればバーチャルリアリティに対応する日本語が仮想現実です。シミュレーテッドリアリティに対応する日本語はないようです。

 注2。基底現実という言葉はメジャーではないようです。作者の未設定は、この言葉を「BLAME!」という漫画から拝借しております。更に元ネタがあるのかは分かりません。

 注3。作者自身、既存の単語を微妙に誤用してると理解しています。以下の説明はあくまでUNREALの世界でのお話です。鵜呑みにはしないでください。

 

 さて、本題に入ります。まずは基底現実と拡張現実の関係について。

 

 前述の通り「今我々が認識し、共有しているこの現実」を基底現実と定義します。小難しく聞こえますが、要するに「拡張現実だの仮想現実だのの話をする時に、現実をそのまま現実と呼ぶとややこしいから別の呼び方をしよう」というだけの話です。「お前、いい加減現実を見ろよ」の現実が、ここでいう基底現実です。

 我々は基底現実にいますから、同じように基底現実にあるものを何の用意なしに触ったり、いじったりできます。また、逆に基底現実にあるものから触られたり、いじられたりもします。道端で猫を愛でようとしたら手がすり抜けた、なんてことはありませんね。

ヨミコ

図1。ヨミコ。作中で読者と同じ五感を持っているほぼ唯一のキャラ。拡張現実の情報はゴーグル(オーグメントグラス)とイヤホンから視覚・聴覚だけを得ている。

 

 拡張現実は、「基底現実をデジタルなデータによって拡張する」というものです。

 英語の頭文字を取ってARと言われることも多く、最近ではニンテンドー3DSにも実装されているようですね。カメラを使ってARカードを映すと、カードの上にあたかもキャラクターがいるように見える、でしたか。

 3DSの場合は、画面に映っている拡張現実の3Dと、基底現実にいる我々は互いを触ったり、いじったりできません。カードの位置をずらしたり、あるいは手の上にいるように見せかけることはできても、3Dに触り、感触を得ることはできません。

 上記の例に則ると、3DSの画面に映った拡張現実の猫を見かけ上撫でることはできます。が、我々が毛並みの感触を得ることは不可能だし、詳細な物理演算設定がされていても、猫の毛並みが我々によって乱されることはないでしょう。

 ただし、拡張現実の情報を手のひらに伝えるような装置を用意し、装着したなら話はまた違います。

ティエラ

図2。ティエラ。アバター利用中。五感は拡張現実と、カメラ・マイクなどの限定された基底現実の情報から得ている。

 

 基底現実と拡張現実は普段は互換性がありませんが、情報を互いにやり取りできる装置があれば、その距離は限りなく近づけられるものです。

 ただし、物体が伴う基底現実と、あくまで情報でしかない拡張現実では、優先度が違います。特に触覚は、拡張現実側から基底現実の物体を触る場合、その物体に触り心地が設定されていれば感触を得ることができますが、物体を移動させることはできません。物理演算が設定されていなければ、拡張現実側は触ることすらできません。

 そう考えると幽霊とかも拡張現実の一種っぽいですよね。

 

 そんな拡張現実と基底現実の関係ですが、作中でその橋渡しをする道具が電脳(頭部内蔵型電子端末)となります。

 3DSの場合、

拡張現実の情報→3DSの画面→視神経→脳

 と段階を踏んでいるところを、ひとっ飛びに

拡張現実の情報⇔脳

 と繋いでいます。

 感覚器を経由せず、直接脳に情報を伝えています。そのため五感それぞれに合わせた装置を用意せずとも、拡張現実の情報をすべて得ることができます。

 また、相互に情報を交換できるので、拡張現実のものを基底現実のものと同じように触ったり、あるいは触られたりすることが可能です。

 作中の舞台ではほとんどの人間が電脳のインプラント手術を受けるので、健は作中における一般人のモデルとして見ることができます。

表1

 図3。ヨミコ、ティエラ、健が認識できる五感の違い。

 

 仮想現実については「最近某所で流行りのVRMMOみたいなもの」という説明が一番分かりやすいかと想われます。そこからゲーム以外のことに使えるようにしたものが作中における仮想現実、シミュレーテッドリアリティとなります。名前は似ていますが、拡張現実と仮想現実は全く異なる機能です。